Griffithの演技メソッド(キリノメソッド)

俳優にとって最も必要な物とは何でしょうか?それをGriffithでは大きく以下の三つに分けて考えています。

  1. 1.俳優としての資質
  2. 2.俳優向きの性格
  3. 3.俳優として自分を磨き続けられる強い向上心(探究心といっても良い)


この三つの内の一つが欠けても良い俳優になれる事は決して無いでしょう。
ここで言う良い俳優とはマーロン・ブランド、ダニエル・オブラフスキー、ハンフリー・ボガート、スティーブ・マックイーン、アル・パチーノ、アンソニー・ホプキンス、エドワード・G・ロビンソン、ドナルド・プレゼンス、ローレン・バコール、ジェーン・フォンダ、メリル・ストリープ、ジョディ・フォスター、イングリット・バーグマンetcといった名優たちを指します。

彼らはチャンスに恵まれただけでは無く、上記の三つの条件を持っていたからこそ良い俳優に成り得たと言えるでしょう。
“良い俳優”とは誰もが成れるものでは決してありません。「資質があれば良い」と考えている人もいるでしょうが、「資質」とは道具であって、それを活用出来るかどうかというのは全くの別問題です。

「努力が何よりも大事」と考える人もいますが、欠落した資質を努力で補うというのはキレイゴトにしか過ぎません。努力型、才能型という言葉がありますが「努力型の人に才能が無く」「才能型の人は何もしていない」というような事は現実にはあり得ないことです。
また、俳優向きの性格とは役を演じることに対して好奇心と楽しみを感じ続けることが可能な性格の事であり、3.の強い向上心とも繋がっています。

「俳優としての資質を持ち、それを磨くことを怠らない」この条件を前提としてGriffthでは“良い俳優になる為”のメソッド(体系化された方法)を組み上げています。 但し、このメソッドは演技を学んでいく上での叩き台と考えて下さい。
演技とはマニュアル化された方法論に当てはめるだけで上手くいく程安易なものではありません。スタニスラフスキー法を筆頭とする海外の有名な演技法が日本に入ってきて以降の方が大根役者が増えたのはここに原因があります。

これは海外の有名な演技法自体の欠陥では無く、伝える側(指導者の多く)が演技法というものをマニュアルと捉えてしまった事に大きな原因があります。演技に限らずマニュアルに沿うだけで上手くやれる芸術表現など無いという事をよく覚えておいて下さい。
今から説明するメソッドの概要は俳優自身が固有の演技ノウハウを築いていていく上でベースにしていくものと考えて下さい。

それではグリフィスの演技メソッドの概要について簡単に説明していきます。